水戸の家03/無垢板の上り框を持つ土間玄関の家

  • 所 在 地 :茨城県水戸市
  • 竣  工:2009年5月
  • 構  造:木造在来工法  地上2階建て
  • 延床面積:150.51㎡ (45.53坪)
  • 敷地面積:498.63㎡ (150.83坪)
  • 備  考:市街化調整区域

 

両親の宿泊室を提案

二人の小学生を持つ30代夫婦の家。内外とも白と黒を基調としたシンプルモダン。その中でポイントは両親が宿泊するのに使う旅館風な和室と無垢板の上り框を持つ土間玄関。

最初にお会いした時点で施主は自分で作成した間取りを持っていました。各部屋のブロック図のようなものです。どんな部屋が欲しくて、それが1階なのか2階に欲しいのか参考になります。建築家はそれをその通りに作ってしまっては仕事したことになりませんから(笑)プロとしての提案をします。

一般的に素人が間取りで一番苦労するのは階段の位置です。1階と2階のつながりを立体的に想像できないとちぐはぐになります。これができたら素人ではないので、無理もありません。

私が提案したのは、注文に存在していなかった和室とそれに絡んだ玄関土間と吹き抜けを生かした階段です。旅館風な縁側を持つ和室を提案したのは、同市内に住むご両親への配慮でした。たまには宿泊していける空間を作る事で、より親睦を深めていただきたいと考えたからです。こうした発想は施主と雑談していてひらめきを感じるものです。

白と黒が若さを感じさせ、シックな落ち着きを持たせた

施主と一番気があったのは色についてです。内外とも白と黒を基調にして素材探しをしました。とはいえ全体が真っ白ではなくて、木には木のもつ色を尊重することでした。部分的には一部大胆な色も使用しています。しかしながら全体のシックな感じがポイントの色さえも調和させて見せています。外壁の白は夕日に当たるとベージュ色に染まります。それを黒が際立たせてくれています。

 

2020年10月14日