水戸の家02/傾斜地に建つパティオのある家

  • 所 在 地 :茨城県水戸市
  • 竣  工:2007年7月
  • 構  造:RC造+木造在来工法  地下1階地上2階建て
  • 延床面積:168.45㎡ (50.95坪)
  • 敷地面積:491.74㎡ (148.75坪)
  • 備  考:車庫RC打ち放し 蓄熱式温水床暖房 

 

高低差を活かして中庭を囲うスキップフロアー

計画敷地は別荘地のような傾斜地にあり、山側の隣地は雑木林の様相を呈していた。前面道路から山側の隣地境界まで六mの高低差で傾斜している。前面道路は狭くあまりに高低差があり車の出入りには不向きだったので、隣地の両親の敷地から車のアプローチをする事になった。それでも三mの高低差があり、地下に車庫、地上二階建の家を作ることになった。

一階をスキップフロアーにして、傾斜地の土地形状にあった計画とした。建物を大きく見せたいという施主の希望に応え、傾斜地には珍しいパティオ(囲まれた中庭)を提案。このコンセプトが気に入られ設計は進んだ。この家には他にも特徴があり、居間の大空間には最近手に入らなくなってきた丸太梁を使っている。

大工泣かせ、大工冥利に尽きる無垢階段

施主の強い希望で丸太の桁と無垢材で階段を作って欲しいという、かなり無謀な注文に棟梁が応えたました。山から切り出した丸太を割いてもらうという方法で材料を手に入れました。段板は先端が皮を剥いだ自然状態で、一枚一枚形が違う無垢材です。

しかもササラ桁の方も丸太を割いた状態ですから、ひとつひとつの材をあててその場でノミを入れていかないと、製作できないという大工泣かせの注文です。それを大工冥利に尽きる仕事だと、毎日2回ノミを研ぎ、一週間かけて作ってくれました。まさしく職人芸、職人魂の賜物です。

2020年10月13日