中間検査のポイント(建主用)

建主が、自分の住宅の中間検査時の状態を見に行った時の参考になるポイントを挙げました。中間検査とは工事中の建築物が建築基準関係規程に適合するかどうかを判断するため、木造だと屋根ふき工事及び構造耐力上主要な軸組が確認できる状態、簡単に言えば上棟後数週間あたりにおこないます。

この検査は主に行政がおこない、設計監理者が立ち会うもので、建主は特に注意することではありませんが、その頃にしか見られない構造上の確認なのでその頃に現場に行って、状態を見ることは安心につながります。厳密には場所、方法、設計判断で、状況が違いますから、 疑問があるときは、必ず設計監理者に聞いてください。

つづく

■構造耐力上主要な軸組とは?

柱や梁が大事なことは言うまでもありませんが、耐力壁といわれる壁の位置と状態の確認が大事です。耐力壁というのは筋かい(斜め材)や構造用合板を使って、設計上あらかじめ決められた場所に配置しています。こうした柱と梁と耐力壁が構造耐力上主要な軸組となります。

その材料そのものを確認するというより、接合部の仕口、金物の使用などを確認します。とはいえ、どの場所に必要なのか、図面がないと判断できないし、こういったことは設計監理者が確認することなので、ここではどういった点に注意すればいいのか、ポイントを挙げてみます。

■筋かいの場合、ホールダウン金物に注意

耐力壁を筋かいでおこなっている場合は、柱を土台と緊結するホールダウン金物と筋かいがバッティングしてないか確認します。ホールダウン金物は建物の角にある事が多く、筋かいも角に配置しやすく、取り合いを注意しないとお互いが邪魔をしてしまうことがあります。

また、構造用合板とも共通することですが、耐力壁の端部近くには基礎と土台を緊結する役割のアンカーボルトが必要です。筋かいがしっかりした金物で柱や土台にきれいに取り付いているか見てみましょう。また将来的にエアコンの穴などが筋かいを切断するおそれもあるので、この時点で部屋のエアコンをどこにつけるのか相談しておいた方がいいでしょう。

■構造用合板は釘のピッチとめり込みに注意

合板の位置の確認が基本だけど、構造図や確認申請図書にはっきり明記しているので、間違えることはあまりないでしょう。それより見落としがちなのが釘のめり込み。釘がめり込みすぎると、板をいためてしまうので、構造の役目をしなくなります。

最近は空気銃のようなもので釘を打つので、空気圧に注意しないと、ついつい打ちすぎることになる。壁に使う合板などは約10ミリ程度の薄いものなので、ちょっとでも釘がめり込むと強度を失ってしまうものです。

これに関しては大工や監督の意識がどこまであるかが、決め手になるので、心配な時は最初の時点で確認するか聞いて見ることです。めり込んでしっかり打ってあるなと勘違いする笑えない話もあります。

こうした意識を持つ工務店や監理者か、そうでないかではやがて大きな差となって現れることになるでしょう。釘のピッチに関しては細かければ言いというものでもなく、構造計算の仕方で、バランスよくピッチを指示している場合もあるので、こちらは疑問があったら専門の設計監理者に聞いたほうがいいでしょう。

2020年10月30日